自作スピーカー 01 #003 【完成】

前回までで、スピーカーの機能としては完成しましたが、MDF材そのままだし、各面の繋目もガタガタなので綺麗に仕上げていきます。

面出し

木工業界でどういうのかわかりませんが、模型業界ではなじみのある言葉で面出しをしていきます。

各面の繋目をカンナで滑らかに繋がるよう削り、紙やすりを#180>#240>#400の順番にかけていきます。

カンナの性能なのか腕のせいなのか、面を出すつもりが結果的にはアバタだらけになってしまいました・・・最初から紙やすりで削っておけばよかったです。

下地処理

MDF材は木屑を押し固めたような素材な為、そのまま塗装やニスを塗るとひたすら吸収してしまうので、目止めの下地処理をしてあげます。

今回使ったのは、サンディングシーラーというニスの様な下地材。

水性なので水で薄めることもでき、乾く前なら水で洗い流せ、匂いも気にならない程度なので非常に使いやすいです。

塗って乾かしては#400のペーパーで研磨を3回繰り返した後に、仕上げのニスを塗ります。

ニス塗り

表面保護の為、ニスを塗ります。

今回は水性ウレタンニス、これもやはり水で薄められ、洗い流すことができ臭いも気になりません。

カーモデルなんかを作っていると、ウレタンクリヤーはかなり上級な感じもしますが、これは水性1液ということもあり扱いはとても手軽にできます。

薄く塗って、#400ペーパーで研磨を下地同様3回ほど繰り返しましたが、思うようにうまく塗れませんでした。

どうしてもタレや刷毛目、気泡などが多くできてしまいます。

また、思いのほかスピーカーにテラテラな艶は似合わないというか、ピアノブラックとかならまだしも、木目もないMDF材ままでは少し下品な感じもします。

完成

スピーカーユニットのステーが金属地そのままなので、バスレフダクトと同色に塗っておきます。

またスピーカー底面には1cm径のフェルトシールを貼っておき、

気休めですがスピーカーユニットの取り付け口に、細切りにしたスポンジシートを貼り気密性を高めてみました。

全てを取り付け完成となります。

終わってみると、設計と仕上げにかけた時間がほとんどで、スピーカー自体は作業を始めてしまえば割とすぐできた印象です。

音はプラ製だったスピーカーの時と比べると、小さいながらもしっかり低音も出ているので安っぽさは全くなくなり、枕元に置くにはサイズもちょうどいい感じじゃないかと思います。

次は少しグレードのいいユニットで仕上げを突板なんかでしっとり作ってみたいです。

自作スピーカー 01 #002

前回設計まで進んだスピーカー作り、今回はMDF材から必要な部品を切り出していきますが、部品といっても作るのは箱なので、2箱分12枚の板を切り出すだけと簡単です。

切り出し

最終的には削ったりで調整できるので寸法は0.5mm前後のずれは気にせず、とにかく直角を正確に出すよう心掛けました。

切り出した板を組んでみます。

大きな狂いは無い様で、固定しなくても箱の状態を保っています。

穴あけ

スピーカーユニットとダクト、背面ターミナル取り付け部に開ける穴を木工ドリルと自在錐を使って開けていきます。

ダクト用の塩ビ管の外径が26mmで自在錐の穴あけ可能サイズが30mm~120mmとなっていますが、一応26mmまで縮めることは出来ます。

また背面は木工ドリル10mm径で2か所に開口、四角く開けるより楽です。

ユニット部は端子周辺の干渉する部分を彫刻刀などで削り、ダクトやターミナルも実際に取り付けて問題ないか確認します。

吸音材貼り付け

全ての加工が終わったら、箱内面に吸音材を張り付けていきます。

貼る理由についてはこれも難しい理屈があるようなのですが、理解するには経験を積む必要がありそうなので、なんとなくで進めます。

素材は、アパート時代に糞ほど買わされたレンジフードのフィルター(写真の他にもう1箱あります)を使い、貼り付ける箇所は箱の背面、底面、横片側の3面に1枚ずつとしました。

厚さ10mm程のフィルターで目も粗いので、2枚重ねてもよさそうな感じは実際聞いてから思いました。

バスレフダクト他

ダクトはホームセンターで売っている規格品の内径20mm外径26mmの塩ビパイプを使います。

適当なサイズに切って、切り口をサンドペーパー#800ぐらいまで処理、艶消しの耐熱ブラックで塗装しましたが、耐熱にした意味は特にないです。

背面のターミナルはホームセンターで買ったELPAのスピーカー端子。

スピーカーユニットにコードをハンダ付けし、末端を110型平型端子のメスで処理としました。

全てを組付け問題ないか確認、ここまで来たらほぼ完成で音を出すだけならこのままでも良いのですが、せっかくなので箱を綺麗に仕上げたいと思います。

次回、完成

 

 

自作スピーカー 01 #001

年々、少しずつだけどオーディオへの興味が濃くなりつつあり、以前FOSTEXさんのかんすぴシリーズを作ってみました

スピーカーは6.5cmのユニットで、既に完成された箱に取り付けるだけの簡単なキットですが、とても聞きやすい綺麗な音が鳴り感動したものです。

自分で箱も作れれば、いいスピーカーをもっと試せるなという安易な気持ちで、少しずつ道具をそろえ、知識も詰め込み今このタイミングだ!ということで作ってみました。

スピーカーユニット選び

使うユニットは、アンプの電源周りが故障し使えなくなったのを再利用、かつてLogicoolが出していたパソコン向けアクティブスピーカーのLogicool 2.0chスピーカー R-10から取り外したものを使います。

わかっている仕様としては、メーカーのプレスリリースアーカイブより抜粋すると

RMS最大出力 4W (2W x 2)
周波数特性 70Hz – 20KHz
S/N比 70dB
全高調波歪率 0.05%以下
仕様ユニット 5cm フルレンジドライバー×1 (片チャンネル)

ということらしいです。

電源周りが弱かったり、イヤホンジャックにノイズが乗りまくったりと評判は良くないスピーカーですが、ユニットだけ使うには関係ないのです。

エンクロージャーの設計

エンクロージャーと呼ばれる箱の設計なんですが、その容積や板厚、素材の硬さや吸音材などなど、音質に関わる要件が多岐にわたり、正直頭がおかしくなりそうです。

なので、細かいことは気にせず形にする方向で、まずは箱のタイプと大きさを決めます。

今回はバスレフ方式を採用、容積は適当、前面を黄金比で設定して全体の寸法を出しています。

バスレフ方式の特徴でもあるバスレフダクト(ポート)の開口径は、使う塩ビ管の規格で選択肢が狭いので、なんとなく内径20mm、長さはなんとなくスピーカーの直径と同じ50mmにしました。

手書きで図面を起こしても良いのですが、せっかく作図ソフトがあるので使ってみます。

使うのはもでりん、岡田金属工業所というところが出している、DIYだけに特化した超簡易的な3DCADといったところでしょうか、操作に癖はありますが、木取図を出力してくれたりと便利な機能も備わっています。

3Dモデルを生成、360°ぐりぐり動かせるので、完成の形が掴みやすくていいです。

素材は安くて加工もしやすい9mm厚のMDF材を選択、今回作るスピーカーなら300*900もあれば余裕で足ります。

木目を気にしなくていいので、ざっくりと木取図を出力、次回、加工へと入ります。